こうさんのハチャメチャ映画解説
※ これは、極めて個人的な感想であります。作品の価値を正しく評価するものではありません。面白おかしく作品を紹介し、興味をもっていただければと考えている次第です。作品の真のファンのみなさま、ごめんなさい。
岡本喜八監督 EAST MEETS WEST (1995年) 2時間4分
MC:四半世紀前の作品になりますが、岡本喜八監督の「EAST MEETS WEST」について、まったく映画に詳しくない素人のこうさんにお話をうかがいます。
こうさん:過分なご紹介ありがとうございます。素人という紹介がたまりません。しかし素人の前にZ・U・B・U・N・Oを付けていただくのが正しいでしょう。
MC:Z・U・B・U・N・O?
こうさん:続けて読むと。
MC:ずぶの・・ ! ずぶの素人! (変態?)
こうさん:はい。
MC:ではなぜ、ずぶの素人がこの作品を選ばれたのですか。
こうさん:たまたま観たからです。
MC:なるほど。聞くんじゃなかった。では、この作品は簡単にいうと、どんな作品ですか。
こうさん:簡単に言っちゃっていいんですか?
MC:どうぞ、ご自由に。どうせずぶの素人のたわごとですから。
こうさん:では遠慮なく。日本が開国か攘夷かで揺れる19世紀後半、日本人が西部で活躍するアクションコメディ西部劇です。主演は真田広之、共演に竹中直人、仲代達矢、岸部一徳、ジェイ・カー、スコット・バッチッチャ、アンジェリック・ロームを迎え、そうそうたるメンバーで脇を固めることによって、コメディーでありながらもそれだけで終わらせないようなエンターテインメント性を求めた作品に仕上がっています。
MC:簡単にとお願いした割には、案外長かったですね。
こうさん:いやいや、こんなに簡単にまとめられたのは人生初ですよ。
MC:まあいいです。では、この映画を観たことのない方にもわかるように、初めに大まかなストーリーを説明しておきましょうね。
ときは1860年。日本はアメリカに迫られた日米修好通商条約締結の準備のため、使節団をワシントンに向かわせた。使節団の護衛艦としてともに派遣された咸臨丸には艦長勝麟太郎、通訳ジョン万次郎、軍艦奉行の従僕福沢諭吉などが乗り込んでいた。そこに水戸藩脱藩者という身分を伏せ、条約締結を阻止するために奉行を暗殺しようとする主人公上條健吉(ジョー)と、これまた身分を伏せてこれを防ごうとするお庭番為次郎(トミー)が乗り込んでいた。物語はこの二人を中心に進んでいく。
咸臨丸がサンフランシスコに着くや否や、銀行に預けようとした3000両が強盗に奪われてしまう。これを追うジョーとそのジョーと3000両を追うトミー。トミーは英語を覚えるには女性と付き合うことが一番と聞き、多くの女性に迫るがとらえられ投獄される。その獄中で出会ったインディアン娘と懇ろとなり、ともに旅をすることになる。一方、奪われたお金の行方を追うジョーは、銀行で父親を殺されたサムの仇討ちをしたいという意思を受け入れ、一緒に犯人の行方を追う。これになぜかサムの先生が協力することになる。そして彼らは強盗犯のいる街を突き止める。途中、危険なインディアンに遭遇するも、ジョーとトミーの二人は助け合ってこの難を逃れる。
途中で合流した先生のやんちゃな教え子5人を含め10人となった彼らは、強盗犯の親玉が金山を手に入れようと画策している街に乗り込む。やがて撃ち合いが始まる。
MC:結末は、これから映画を観る方のために言わないでおきましょう。
MC:では、この映画について好きなことを適当にお話しください。
こうさん:この映画は、かなりのおちゃらけですが、その裏に盛りだくさんのメッセージが込められています。
MC:ほー、例えば?
さんこう:忍者のトミーの夢は侍になること。この仕事をやり遂げれば武士になれるかもしれないと、がむしゃらに任務遂行に励む。それをジョーに侍の世の中は終わるかもしれないと諭される。これにトミーは、初めから侍だった奴には自分の気持ちはわからないと反発する。江戸から明治へ時代が大きく動こうとしている中で、身分にしがみつこうとする者、身分を捨てようとする者、それぞれの苦悩が垣間見られる。身分とは一定の社会の枠の中においては有効なものであるが、その枠から出てしまえば意味を持たないものである。そのことを侍と忍者、ガンマンという設定を通して描いている。
MC:へえー。
さんこう:二つ目は、トミーとナンタンとの男女関係から発せられているメッセージだ。日本人とアメリカ人という国籍の違いにとどまらず、忍者とインディアンという全てにおいて違う者同士でも、互いの違いを認め合えばわかり合えるということを伝えようとしている。
MC:本当に?
さんこう:三つめは善と悪について。先生が道を踏み外した教え子たちを引き戻し、悪に立ち向かわせる。最後に、正義を行う者が「俺たちのような愚連隊でもいいのか」と語らせる。この時、視聴者は心の中でいいのだとつぶやいている。人は誰でも他人のために生きることによって変わることができるのだ。そういうメッセージを届けようとしている。
MC:そういえば、以前の岡本監督の作品に愚連隊という言葉のついた作品がありましたねえ。何か関連はあるのですか?
さんこう:四つ目は、
MC:無視かよ。
さんこう:親子の関係。サムは父親を殺されたというのにおかしいほど冷めている。悲しむどころか、淡々としている。死んだ父親を荷物のように馬の後ろに乗せてジョーと家に戻り、ばかな父親だとつぶやき墓に葬る。それなのに仇を取りたいからジョーに手伝えと言う。親子とはひとには見えないところで深くつながっている関係なのだというメッセージが込められている。
MC:そんなふうには思えないけどね。
こうさん:五つ目は、
MC;そろそろ時間なんで、このあたりで終わろうと思いますが、一言でいうとこの作品はコメディータッチの仇討ちエンターテインメントということでよろしいですね。
こうさん:すばらしいまとめですね。私の言いたかったことはまさにそれです。要するに気軽に観てください、ということですね。たいへん面白い作品ですよ。星二つ!
MC:あんだけ語っといて星二つかよ。・・・ああー・・・今の時間を返せ!
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